学校日記

自分の考えを話せる子に ~国語の学習から~

5年生の国語「わらぐつの中の神様」のひとコマです。

この物語の中心人物は、「おみつさん」という娘です。この娘が、雪下駄を買うために、自分でわらぐつを編んで売ろうとするお話です。

お話の中で、おみつさんが赤くなる場面が3つあります。
A 下駄屋さんの前であまりにも長く雪下駄をながめていて、おかみさんに声をかけられ、逃げるように店を出る場面
B 大工さんに「そのわらぐつ見せてくんない。」と言われ、「みっともねえわらぐつで・・・」とわらぐつをおずおずと差し出す場面
C 大工さんに、およめさんになってほしいと言われる場面

 

「この中で、ひとつだけ仲間外れになるとしたら、どれですか?理由も書いてください。」
すると、「えーっ!」と言いながらも、教科書をめくって一生懸命考え始めました。
「自分はこれが仲間外れだと思うところに、ネームプレートを貼ってきてください。」

一番多かったのはAでした。ついで、C,Bの順でした。(悩んでいる人もたくさんいました。)
「少ない方から発表してください。」
ただひとりBを選んだTくんが立ち上がって話し始めます。自分と違う意見にみんな興味津々です。
「ぼくは、Bが仲間外れになると思います。理由は・・・。」
同じ意見の友達がいなくても、堂々と話すことができました。

「ぼくは、Aが仲間外れだと思います。BとCは、大工さんとの関わりで赤くなっているけど、Aはまだ大工さんと出会っていないからです。」
「ぼくは、Cが仲間外れだと思います。AとBは『はずかしい』と思って赤くなったけど、Cは大工さんにプロポーズされて『うれしい』と思って赤くなったと思います。」
「私もCが仲間外れだと思います。AとBは『はずかしい』という気持ちだけど、Cは恋愛関係があるから赤くなったと思います。」
すると、Gくんから、「恋愛関係って何ですか?」と質問が出て、女子は思わず含み笑い。
「Gくんには、まだ難しいかなあ。」とみんなでふふふと笑いました。

 

そうなのです。このお話は、恋のお話でもあるのです。
どうして、大工さんはおみつさんにひかれたのか。
「おみつさんは、特別美しい娘というわけでもありません」と書かれています。
でも「体がじょうぶで、気立てがやさしくて、いつもほがらかにくるくると働いていた」そうです。
そして、おみつさんが作ったわらぐつも「みっともよくねえわらぐつ」です。でも、「じょうぶでいいわらぐつ」なのです。

このような、子どもたちのとてもよい気づきの言葉をもとに「わらぐつの中の神様」の主題に迫っていくことのできた授業でした。