みなみっ子NEWS

会議・研修 朝の道徳ミニタイム ~授業力向上のために、日常的に授業研究! その1 ~

職員室の黒板には、「本日授業します」のお知らせがあります!

それを見て、先生たちが、自由に授業を参観し、休み時間や放課後を使って

授業について楽しく語り合います。語り合いも自由参加です!

 

研修主任の先生の声かけをもとに、授業研究を楽しみながら日常的にやっています!

 

 

その1 朝の学級の学習時間に「道徳ミニタイム」を1年生で実施しました!

先生 「あれ?!誰か泣く声が聞こえない?」

1年生「えっ?誰の声?」

先生 「実は、みなさんに、お話をしたいという女の子が来ています。」

1年生「えっ?誰ですか?」

先生 「みんなと同じ1年生」「入ってきていいですよ!」

★役割演技で、教師が、女の子を演じる。教材の内容を即座に低学年に理解させるための工夫。

先生 

「ボール遊びをしていたら、幼稚園の男の子が入ってきて、

ボールを取ろうとしたから、やめさせようとして、泣かせちゃったの・・・。」

「困ったなあ。みんなに、どうすればよかったのか聞きに来たの。」

「助けてくれますか?」

1年生

「いいですよ!」「教えますよ!」「きみえちゃんは、どこの小学校なの?」

「たぶん、その男の子は、遊びたかったんだと思いますよ。」

先生 

「私は〇〇小学校の1年生なの。確かに、遊びたかったのかもしれないね。」

先生 

「あれ?!待って、ボールを取ろうとした幼稚園生が、何か言っていますよ。

 えっ?!何?はっきりわからないなあ。どうしてボールを取ろうとしたの?

 えっ?恥ずかしくて言えないんだって。

 ボールを取ろうとしたこの男の子の気持ち、代わりに誰か言える人はいますか?

1年生

「はい!はい!はい!はい!」

先生 

「たくさん教えてもらいたいから、そうだ、この紙に書いてもらってもいいですか?」

1年生

「えっ、これ何?あっ幼稚園の男の子いた!」

「うわあ、はじめて!なんかこわい!ドキドキする!」

★男の子の気持ちをハートの中の色を染めることで表現

★子どもたちは、はじめてのことにドキドキしながらも、男の子の気持ちを考えながらカラーで表現

 

★一人一人考えた男の子の心カードを先生に見せに来て、

黒板の男の子の心の中の三本の指標「気もち柱」に張り付けていく子どもたち。

先生 

「このギザギザはどうしたの?」

1年生

「まぜてと思ったけれど、だめかもしれないと思っていたから、ギザギザ」

先生

「そうなの。どんな気持ちかと言うと、悲しい感じ?どのくらい?」 

★一人一人のハートカードをもとに、子どもに聞きながら、

感情の色を選ばせながら、黒板に貼る。

自分の考えをみんなに話したり、質問を受けたりしている1年生

1年生

「ボールを取って、悪いって思っているから、この色です。」

先生

「それは、だれの気持ち?」

★自分が考えたことを先生や友達に聞かれることによって、

確かめたり、直したりすることで、考えがさらに深まります。

発表して終わるという<話合い>というより、<聞き合い>を大切にしています。

 

先生 

「男の子の気持ち、みんないろいろ考えていますね。」「男の子も、みんなに会いたいみたいです。」

「男の子に何か言ってあげられる人はいますか?」

★男の子の顔の絵を見せたり、先生が男の子になったりしながら

男の子がそこにいるかのように示すことで、男の子に対する言葉かけを

実際に子どもたちに経験させる。

★男の子の絵に向かって、本気になって言葉をかける1年生

1年生「ねえ、だめだよ、ちゃんと、まぜてって言わないと!」

先生 「あれ?出てこないね。また隠れてしまったようです。」

★強く言い聞かせると、男の子は恐がって出てこないことを表現し、

子どもたちに気付かせる。

先生

「ねえ、みんな、みんなにたくさん言われると、

この男の子はますます恐がって出てこなくなってしまうね。

1年生

「だめだよ、言葉もやさしくね。(幼稚園生に優しく言い聞かせるように。)」

先生

「あっ、いいものあります!魔法の道具!

このピンク・黄色・水色の紙!これで、男の子に教えてあげて!」

★三色のカードを一人一人に配付。役割演技で、男の子に扮した

先生の言動に対して、まずいと思ったら、水色のカードを上げて、「だめだよ」と意志表示。

また、男の子に扮した先生の言動がよくなったら、ピンクのカードを上げて「いいね!」と意志表示。

 

水色のカードを上げたり、ピンクを上げたりする1年生

1年生

「分かりましたよ、この色の紙は、<心紙>ですね!」心の中を表しているのですね。

先生

「すごいですね!〇〇〇君!なるほど!心を表すものね!」

 「みんなが、この<心紙>で男の子に教えてくれたから、男の子は

 喜んでいますね。みなさん、ありがとうございました。」

 

1年生が口にした<心紙>という言葉に、感動しました。

今回登場した3色のカードは、

自分の考えを表出させるための「ひと工夫」です。

 

例えば、役割演技で代表してやっている子どもや

発表が得意な子どもだけではなく、

それを観ている他の子どもたち・全ての子どもたちにも、

発表させる(表現・アウトプット)方法です。

 

1年生が名付けてくれた<心紙>の授業における有効性を

先生方とともに、さっそく検証していきます。

授業開始前の朝の学習タイムにおける

道徳ミニタイムでした!