「自由研究」8月9日朝 常葉町大滝根川付近の「トンボ」について
昨日の4年児童との会話を元に、実際に常葉町の大滝根川付近の「トンボ」の生態がどうなっているのか調査しました。
(※ 理科の自由研究の参考になれば・・・)
1 コシボソヤンマ
いました。コシボソヤンマ。児童の話していた通り。流水性種のヤンマのため、川の水面を行き来しています。
この流水性種は、コシボソヤンマの他、ミルンヤンマなど限られた種の特徴です。(幼虫のヤゴの時期にどれだけ酸素が水に溶けているかが大事で、水溜まりや池のような留まっている水ー止水性種ーで酸素が足りる種類と常に流れてフレッシュな酸素が必要なー流水性種ーに分かれる)
産卵や縄張りを守るためなのですが、この行動は、よく校舎内に飛んでくるトンボとは一線を画します。
護岸化され、直線化された川の都会ではあまりみることがなくなったそうです。川の蛇行による「瀬(浅い所)」や「淵(深い所)」と呼ばれる地形がトンボにとっては大事なんですね。
くびれについて、倍率ドン!
見事にくびれています。明らかに他のヤンマにはない特徴です。オス程くびれが強いのが特徴でもあります。
②アキアカネ(婚姻色バージョン)
次は、アカトンボの代表。アキアカネです。婚姻色に変わり、きれいな赤を背中に背負っています。
メスは、腹部のみ赤くなり、オス程濃い赤になりません。
③ノシメトンボ (婚姻色バージョン)
こちらも、アカトンボの一種です。羽根の先が黒く、着物の「熨斗目模様」に似ていることから名前がつきました。
このノシメは、オスのみ婚姻色チェンジをします。
まだ、色の変わりが薄く、まだまだアカトンボとは言えないくらいでした。
参考 アカトンボの見分け方
きれいな虎柄の黒ラインが腹部に見られるノシメ。ナツアカネは,未成熟の時期の腹部の柄が,ノシメトンボと似ていますが,真ん中のラインが消えかかっているのがナツアカネ。このラインがとがっているのがアキアカネです。
ノシメとナツアカネの見分けは,羽の先の褐色と腹部のラインに注目です。
この3本のしましま。完璧な3本ラインは「ノシメトンボ」。
真ん中のしまが消えかかっているものが「ナツアカネ」。「ナツアカネ」は腹部のみではなく、頭部・胸部も成熟期には,アカに染まります。とがって見えると「アキアカネ」。「ナツアカネ」のオス程、「アキアカネ」のオスは全身赤くならず、腹部のみ赤くなるそうです。
このしましまの真ん中に,離れ小島のような逆U字の模様があると,「コノシメトンボ」です。
※ 出典 小学館の昆虫の図鑑 新学習図鑑シリーズ②より
④ ハグロ(羽黒)トンボ
日本において、地域によっては絶滅危惧種にも指定されています。東京都では絶滅危惧Ⅱ類、青森県では準絶滅危惧種などと、個体数が少なくなっています。
しかし、夏の常葉町大滝根川。50匹は余裕で群生!あっぱれ!(上の写真には4匹同時に写っています。)
こちらがオス。腹部がエメラルドグリーンで金属の光沢があるのが特徴。
こちらがメスのハグロトンボ。オスに比べると体に光沢がなく、真っ黒なのがわかります。
ノシメトンボと同様、オスのみ目立つ色をしていることは、オスとメスの区別をつきやすくするためだそうです。
最近の研究では、オスがメスを選ぶということがわかってきたため、オスをメスが見つけやすくするためという従来の考え方が変わってきているようです。たかが生物、されど生物。奥がですね。(8月12日追記)
しかし、小1時間でこの写真すべて撮れる「常葉町」。素晴らしい自然が残る町。他の地域の絶滅危惧種が確認できる町。誇りにしたいものです。
福島県田村市常葉町常葉
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