丸森日誌

運動会で目指すもの

ある町がオーストラリアのある都市と友好都市を結んでいた関係で、児童引率でオーストラリアの学校を訪問したことがある。その学校は校庭がなく、体育の授業もなかった。しかし、近くの運動場で、日本の運動会のような「アスレチックフェスティバル」を行っていた。マーカーを並べてつくった手作りのトラックを使って、800m走をしていた。そのレースを見ていて驚いたことがあった。それは、20名ぐらいで走っていて、1着から3着が決まった瞬間、先生方がまだ走っている子どもたちに「はーい、おわり、おわり」と合図して途中でやめさせたのだった。びっくりした。なんという合理主義。入賞者が決まれば、もうそのレースは用済みなのだ。日本ではそんなことはありえない。全員最後まで走らせるところだ。結果第一に考えればこうなるのかもしれない。今、運動会の練習の真っ最中。子どもたちは暑い中、頑張って走ったり、演技したりしている。徒競走では、たとえ何番になろうとも、全員ゴールまで走る。それは、入賞するためだけが運動会の目的ではないからだ。運動会でめざすもの。それは、最後まで本気・全力で、あきらめずにがんばること。自分の演技も、応援も、係の仕事も、開閉会式の姿勢も、あいさつも、全てにおいて本気・全力で頑張る。その姿こそが、「かっこいい」のである。そういう「かっこいい」姿を、お家の人や地域の人に見せられるよう、全校生で取り組んでいる。