丸森日誌

「はい」に込める思い

卒業生に返事の指導で話した内容である。学校生活の中では、自分の名前を呼ばれる場面はいろいろある。朝の健康観察から始まり、授業中の指名もあれば、廊下で呼び止められることもあろう。そういう時の「はい」という返事は、名前を呼ばれた時の返事である。しかし、卒業式の中で行う返事は少し違う。卒業式の中で、担任が呼名する前にこう話す。「卒業証書を授与される者」。もっと丁寧に言えば、「小学校6カ年の課程を修了し、卒業証書を授与される者」。つまり、6年間の小学校生活で、学ぶべき事を学び、身につけるべき事を身につけ、この度、小学校を卒業することを認められた者は、これから名前を呼ばれる者たちである、というわけだ。だから、続けて名前を呼ばれた者は、「今、名前を呼ばれたのは、わたしです。」「ぼくがその者です。」と式場内の人たちに告げるように返事をしなければならない。廊下で呼び止められて返す返事とは全く訳が違うのである。(続く)