丸森日誌

陸上大会に想う その2

その子は800mに出場した。目標は3分00秒台で入賞すること。800mの練習はかなりきつい。坂道ダッシュもあれば、インターバル走もある。同じペースで校庭を何周も走った。途中で弱音をはくことはなかった。800mの他にリレーのアンカーにもなった。最初、リレーのアンカーは、あまり乗り気でなかった。理由は、最後に抜かされたらいやだから。でも、自分がアンカーをやることに正式に決まってからは、覚悟を決めて練習に取り組んだ。当日は、リレーの予選が最初にあった。結果は、決勝にはいけなかった。残りは800m。そこで、全てを出し切ろうと決めた。レースが始まった。スタートからの早いペースに少しずつ離されていった。そして、いよいよラスト200m。そこから、最後の追い上げがすごかった。まさに全力、全ての力を出し切って、目の前の選手を追い上げた。ぐいぐいと、どこにまだそんな力が残っていたのか。ゴールが迫る。前の選手の背中がもう目の前だ。その時、彼女は(ぬきたい!)そう強く思った。そして、本当に最後の力をふりしぼった。そして、そのままゴール。おしくもぬけず、結果、彼女は9位。8位入賞まで、わずか0.03秒差だった。おしかった。入賞できなかった悔しさはある。しかし、全力を出し切った満足感でいっぱいだった。そして、この大会での頑張りが、自分への自信につながった。私はできる!I can do it !