丸森日誌

2015年9月の記事一覧

「だって、たのしみなんだもん!」

1年生のSくんが、校務センターの窓越しににこにこしていました。行って話しかけました。「なんか、うれしいことでもあるの?」するとSくん、さらににこにこしながら「だって、たのしみなんだもん!」「そう、なにがたのしみなの?」「きんようび!!」・・・金曜日?あっ、キッザニアだ。「キッザニアに行くのが楽しみなんだ。そうか、ところで、Sくんはキッザニアで何のお仕事をしたいのかな?」すると、すかさず「おかしこうじょう!」「あっ、そう。おかしこうじょうかあ、いいねえ。つぎは?」「つぎは、そふとくりーむしょっぷ!!」この会話中、ずっとにこにこのSくん。廊下に貼り出してあるキッザニアの地図を見ながら、きっと行きたいところを友だちと話していたのでしょう。他の休み時間、6年生の男の子にも聞いて見ました。「Kくん、キッザニアで何をやりたいの?」「ぼくは裁判所に行きたいです」おっー、さすが、6年生。きっとものすごく貴重な体験になるだろうなあと思いました。そして、こんなにも子どもたちがキッザニアに行くのを楽しみにしてくれているとわかって、こちらもすごくうれしくなりました。

陸上大会に想う その2

その子は800mに出場した。目標は3分00秒台で入賞すること。800mの練習はかなりきつい。坂道ダッシュもあれば、インターバル走もある。同じペースで校庭を何周も走った。途中で弱音をはくことはなかった。800mの他にリレーのアンカーにもなった。最初、リレーのアンカーは、あまり乗り気でなかった。理由は、最後に抜かされたらいやだから。でも、自分がアンカーをやることに正式に決まってからは、覚悟を決めて練習に取り組んだ。当日は、リレーの予選が最初にあった。結果は、決勝にはいけなかった。残りは800m。そこで、全てを出し切ろうと決めた。レースが始まった。スタートからの早いペースに少しずつ離されていった。そして、いよいよラスト200m。そこから、最後の追い上げがすごかった。まさに全力、全ての力を出し切って、目の前の選手を追い上げた。ぐいぐいと、どこにまだそんな力が残っていたのか。ゴールが迫る。前の選手の背中がもう目の前だ。その時、彼女は(ぬきたい!)そう強く思った。そして、本当に最後の力をふりしぼった。そして、そのままゴール。おしくもぬけず、結果、彼女は9位。8位入賞まで、わずか0.03秒差だった。おしかった。入賞できなかった悔しさはある。しかし、全力を出し切った満足感でいっぱいだった。そして、この大会での頑張りが、自分への自信につながった。私はできる!I can do it !

陸上大会に想う

女子走り高跳びで入賞した女子がいる。彼女は、それまでベストが115cm。それ以上は跳んだことがなかった。しかし、昨年度の大会の1位の記録は113cm。だから、上位入賞はできるだろうと思われていた。本番当日、なんと113cmを5人も跳んだのだ。次の高さは116cm。1回目の試技で一人だけ跳び、あとの4人は失敗。その中に、本校の子もいた。彼女にとっては116cmは未だ未知の高さ。2回目、他の3人がクリア。その子の番が来た。すると、なんと見事、クリアできた。ベスト記録達成!次は、119cm。1回目で一人跳び、2回目でもう一人が跳んだ。3回目、先の2名がクリアし、彼女の番が来た。その時、どんなことを考えていたのか?後で聞いて見たら、「自分も跳ばなきゃ」そして、「自分も跳べる!!」と思っていたのだった。結果は・・・。彼女は見事119cmを跳んだのだった。もし、心のどこかで(だめかも・・・)と思っていたら、きっと跳べなかったと思う。しかし、その時の彼女は自分の力を信じていた。私はできる!  I can do it ! その後、成功して、飛び上がって喜ぶ彼女の姿が遠くから見えた。次の瞬間、彼女は他の学校の選手とハイタッチして一緒に喜び合っていた。上位の記録で競い合う仲間には、時にある連帯感が生まれる。つらい練習を乗り越えて本番の舞台で競い合う者だけがわかり合える、成功した時の共感できる喜び。すごくいいなあと思った。

わたしの仕事でない仕事

学校とは限らないことではあるが、職場には「わたしの仕事」と「わたしの仕事でない仕事」の2種類が存在する。先日、急遽陸上大会用のゼッケンを50枚作成することになった。白布を注文し、アイロンプリントで文字を作成し、布を裁ち、縁をミシンで縫い、最後に文字をプリントして完成。これらの作業は、全て誰がやると決まっていない「わたしの仕事でない仕事」であった。本校では、ゼッケン作りが決まった時から、誰とはなしに作業を進めて、2日間で既製品のようなゼッケンを作り上げた。みな、それぞれ本来やるべき「わたしの仕事」が当然ある。その上で、このような「わたしの仕事でない仕事」を快く引き受けて取り組んで頂けることに感謝である。他にも、資源物回収で使用したブルーシートを干して、きれいに片付けてくれる人がいる。連日の雨で荒れた校庭を整地してくれる人もいる。風が強くて倒れやすくなったアサガオのプランターを、ひもで倒れないように固定してくれる人がいる。校舎前の花壇の草が伸びてくると、きれいに除草してくれる人がいる・・・。もし、一人一人が「わたしの仕事」以外はやらなかったら、きっと職場はぎくしゃくとした働きにくいところになるだろう。「わたしの仕事でない仕事」に気づいた人が、進んでやってくれるから、職場にあふれるいろいろなことが、スムーズに回り出し、結果、働きがいのある、働きやすい職場になるのかもしれない。そのような職場で働けることを本当に幸せだと思った。