丸森日誌

2015年2月の記事一覧

全員登校日

学校をお休みする場合、風邪や発熱などの病気による欠席、お家の都合でお休みする事故欠、そしてインフルエンザなどの病気による出席停止などがある。出席停止は欠席扱いにはならない。しかし、学校に登校していない(できない)という点では、他の欠席と同じである。本校の児童は98名である。この98名が、一人も休むことなく、全員登校した日を「全員登校日」としてカウントしている。4月7日から今日までで、この全員登校日は「64日間」になった。今日も全員登校した。授業日は、今日で181日あった。およそ3日に1日は98名全員が登校していることになる。これは、すばらしいことだと自負している。本校の児童は、本当に休まない。毎日、学校にきちんと登校してくる。これは、感謝の何物でも無い。なぜなら、私たち教師は、子どもたちが学校に来てくれるから、授業ができ、指導ができるからだ。学校に来てくれないことには、何も始まらない。だから、子どもたちに感謝。そして、毎日当たり前のように学校に子どもを送り出してくれる保護者の皆さんにも。

その場になってわかること

入学説明会で、来年度入学する園児たちを、今の1年生たちがお世話した。Aくんは、担当の女の子が描いた絵を「上手だね」とほめて、その子を喜ばせた。Bくんは、なかなか描けない男の子に、自分がお絵かき帳に描いた絵を見せてあげて、最後まで寄り添った。Cさんは二人の子を担当し、時間中あちらこちらと忙しそうに駆け回った。他の子どもたちもみな同じようにやさしく接してあげていた。きっと園児たちは、お世話してもらってうれしかった、楽しかった思い出をもって、4月に入学してくるに違いない。そして、1年生の子どもたちも、今回お世話をしたことで、来年2年生になる自覚や、今まで自分がお世話してもらう立場だったことを振り返るにちがいない。そういうことは、やはり、その場になって初めてわかることなのだ。だから、体験させることは大事なのだ。最初からうまくできなくてもいい。うまくできるかどうかより、その場に立つ経験こそを大事にしたい。

親は子の鑑

2日続けて、入園説明会、入学説明会と開催した。どちらにも共通していたのは、保護者の皆さんが、学校からの説明をきちんと聞いていたということである。当たり前のことのように思う方もいるかと思うが、巷にはこういう説明会に参加された保護者の方が、隣の人と私語をしながら聞いているところもあるという。しかし、本校・本園ではそういう保護者の方は一人もいなかった。みなさん、説明中はお話などせずに、こちらの話を聞いてくださった。ありがたい話である。そして、幼稚園でも小学校でも、それぞれ役員さんを決めた。その時も、それぞれ進んで快く引き受けてくださった。これもまたありがたい話である。親は子の鑑という。こういう保護者の方々に育てられている子どもたちである。みな、明るく元気で、そして素直である。4月に入学・入園してくるのが楽しみになった。

世界の果ての通学路

世界には、日本の感覚では信じられないような環境で、学校に通っている子どもたちがいることを、「世界の果ての通学路」というDVDをみて知った。ケニアの少年は、サバンナ地帯を、ゾウなどの野生動物たちに警戒しながら、片道15kmを2時間小走りでかけて通っている。モロッコの山岳地帯に住む少女は、月曜の朝、片道22kmを4時間かけて全寮制の学校に通い、金曜の夕方同じ道を歩いて帰ってくる。なぜ、そのような大変な思いをしてまで、学校に通うのか。それは、「夢をかなえたいから」。学校で学ぶことで、自分の夢がかなえられることを信じ、そして、そのためにひたむきに努力しているのだ。その姿に、心が洗われる思いがした。そして、日本の子どもたちの中にも、その子どもたちと同じように、自分の夢や願いをかなえようと毎日学校に通っている子どもたちがきっといるに違いないと思った。その期待に、自分は応えられているか・・・と身が引き締まる思いがした。

巧遅と拙速

巧遅(こうち)とは、うまく上手にできても時間がかかって遅いこと。拙速(せっそく)とは、その逆で多少つたなくて上手ではないけれど速くできること。何か取り組んでいると、この巧遅と拙速が問題になる。いろいろな場面もあり、取り組んでいる内容によって一概に言えないのかもしれない。しかし、ことわざでは「巧遅は拙速に如かず(しかず)」。つまり、拙速の方がよいということになる。考えてみると、何か取り組む時には、大概期限が決められていることが多いように思う。だから、いつまでにこれこれを仕上げるようなことになる。その場合、最優先されるのは、何はともあれ決められた期限までに必ず間に合わせる(仕上げる)ことである。出来不出来はある意味その次だ。子どもたちの中にはじっくり時間をかけて取り組みたいというタイプの子どもはいる。こだわりをもって自分らしさを追究することはとても大切なことである。しかし、一方で与えられた時間を意識し、ゴールまでの見通しをもって取り組み、ある程度形にして間に合うことも大事なことである。また、速ければなんでもいい訳でもない。そういう意味でも、子どもたちには、いろいろな経験を通して、生きていく術を身につけさせたいと思う。