総合的な学習・教育研究

ふくしまジュニアチャレンジ表彰・活動紹介

2/9の表彰式後半は、活動発表でした。代表2名の発表内容をご紹介します。

 

こんにちは。田村市立都路小学校MM7です。みなさんは、田村市都路町を知っていますか?
都路町は、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故により、全町避難となりました。平成二十六年に避難はすべて解除になり学校も元の場所に戻りましたが、中には、町に戻ることをためらう人もいました。
翌年、「ふるさと都路を笑顔と活気あふれる町にしたい」と考えた私達の先輩が、総合的な学習の時間の中で「自分たちの都路町の特産品を作ろう」とこの活動をスタートさせました。
 初代の先輩たちは、学校で栽培したキュウリでジャムを作ることにしました。最初は、味や見た目など、うまくいかないことばかりでした。そこで、市内の「福福堂」稲福さんの専門的なアドバイスや、家族に試食してもらった感想をもとに、何度も何度も改良を重ね、完成したのがこの「都路キュウリマン」です。さらにこれを販売できるよう行政局や保健所に問い合わせたり、「福福堂」で瓶詰めをしてもらえることになったりとやっと販売まで漕ぎ着けました。
これは、初代が考えたジャムのイメージキャラクター「キュウリマン」です。都路ではおなじみで、とっても人気なんですよ。
 平成29年に、次の代の先輩方が「都路キュウリマン」の活動を引き継ぎました。
地域の方々にくわの持ち方やうねの作り方を、また「松本農園」さんにキュウリの栽培のこつを教えていただきました。都路の一大イベント「灯まつり」では、キュウリジャムを使ったクレープやヨーグルトなどを販売し、その後、都路町内の商店や「ふぁせる田村」、福島市の「伏見コーヒー店」など、様々な場所での販売が始まりました。ラベルや納品書などの作成も自分たちの手で行っている二代目の姿はとても頼もしかったです。そして、昨年の三月からは、製造販売を町商工会にお願いすることができました。
 五年生の私たちは、二代目のこの活動をどのように引き継いでいくかを考え、「キュウリマン」のマスコットを作り、PR活動をしていくことにしました。中の綿は、二本松市の藤倉さんに指導していただきながら学校の畑で栽培しました。家庭科で身につけた力で、手縫いで作ったマスコットがこちらです。これを持って、「キュウリマン」ジャムの販売をPRしました。


 そして今年度、最上級生になった私たちは、これまでの学習で、改めて「ふるさと都路のよさ」にたくさん気づきました。でも、町はまだまだ活気があるとは言い難い状況です。そこで「キュウリマン」だけでなく、町のよさをもっとたくさんの方にPRして、多くの人に都路に足を運んでもらえれば、都路が笑顔で元気になるのではないかと考えました。テーマは「都路ハッピースマイル大作戦」。私たち7人は話し合いを重ね、都路をPRするパンフレットを作成しました。それがこちら「こっちゃこぉ都路」です。キャッチコピーを手書きにして温かさが伝わるようにしました。都路に住む私たちだからこそ知る口コミ情報が入っているのがポイントです。何度も何度も書き直し、満足のいくパンフレットが完成しました。そしてこれを使って様々な場所でPR活動をしてきました。

パンフレット(表).pdf

パンフレット(中).pdf

夏休みには、岡山と広島まで行きました。広島駅前でパンフレットを配った時は、最初は道行く人に声をかけることができませんでした。勇気を出して声をかけても、無視されたり断られてしまったりして、悲しく、くやしかったです。でも、あきらめず声をかけ続け、もらってくれた人から「ありがとう。」と言ってもらえたときは、心の中まで笑顔でいっぱいになりました。
九月の修学旅行では、東京日本橋の福島県アンテナショップ「ミデッテ」でPR活動をさせていただきました。今回は、短い時間でたくさんの人に都路の特産品のPRができました。中には、「ずっと福島を支援したいと思っていた。今日はあなたたちに会えてよかった。」と涙ながらに語ってくださる方もいました。ミデッテには、今も私たちのパンフレットが置いてあります。この活動を通して、「がんばってね」「ありがとう」と声をかけていただくにつれ、「もっと都路のことが知りたい」「都路がますます好きになった」と感じました。


 都路活性化に向けた私たちの活動はまだ終わりません。パンフレットの内容の見直し、新しい商品の開発、新たな場所でのPR活動と、やるべきことはたくさんあります。4月には中学生になります。今回、この素晴らしい賞をいただいたことを励みに、私たちの成長がふるさとの笑顔につながるよう、そして都路を、田村市を笑顔あふれる町にできるよう、先輩方の心とともに、自分たちにできることをこれからも実行していきます。